あの頃

義実家にいる甥に、当時の事を話す時、

「あの頃はみんな次々と具合が悪くなって」と始めなければならない。

まず、母が心労で具合が悪くなったのだけれど、

その日の事はよく覚えている。

なぜなら、節分だったし、その日はコンサートだった。

お昼間のコンサートだったから、夕方には帰宅していて、

あとは恵方巻きの配達を待つだけ。

夫の帰宅までのんびりと思っていた時だった。

冷静な夫が焦って、要領の得ない電話をしてきたからだ。

電話口で何言ってるのかわからない夫など、結婚以来はじめて。

それでも、具合の悪い母が夫に電話してきたことと、途中で電話が切れた事は分かった。

とにかく、義実家に行かなくては。でも、それまでに何かあったら!

こんな事で救急車を呼んでいいのだろうか?と思ったものの、119番通報。

事情を説明すると、

「大丈夫ですよ、すぐ向かいますから、そちらも気をつけてきて下さい。ご実家についたら、搬送先の病院からの連絡を待って下さい」と言って貰えた。

そのあと、すぐに母に電話をかけてみた、夫の折り返しには出なかったけど、

出てくれた。母がしゃべる前に、一気に、救急車が来てくれる事を話した。

その後、タクシーに飛び乗って義実家に。

すでに母は病院に搬送された後で、愛犬を膝にのっけて電話を待った。

30分後に夫が到着。それからしばらくして、搬送先の病院から電話がかかってきた。

入院する必要はないとの事で、主人と二人病院まで迎えにいった。

精神性の眩暈の可能性が大きいと言われ、後日、心療内科の診察を受ける事になった。

急に、立っていられないくらいの眩暈が来て、すこしパニックも起こしてたようだ。

私の電話を取ったあと、何とか、玄関まで這って、外で座りこんでいたところへ、

お隣のお兄さんが帰宅。

私が救急車を呼んだというのを聞いて、僕が応対するから、

玄関の中で楽にしてて、と言ってくれて、

母が救急車に乗るまで付き添ってくださったのだそう。

お隣さんがいい人で良かった。

父が入院していた時で、父が退院するまでの間、

私達が夫婦が泊まり込んでいたのだけれど、

お約束というか、次は私が寝込んだ。そしてその後、夫も体調を崩した。

その頃は家族共通の悩みを抱えていたから、順番にダウンしたんだろうと思う。


Temps tendre

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